メトグルコ(大日本製薬)

  成分:メトホルミン
  分類:糖尿病用剤
  系統:ビグアナイド系 
  

  概説:血糖値の値を下げる薬
     血液中の糖分「血糖」は、膵臓から分泌されるインスリン・ホルモンで調節されている
     糖尿病は、このインスリンの量が不足したり働きが悪くなることで血糖値が上がってしまう病気である
     そのまま放置すると、手足のしびれ(神経障害)、目の病気(網膜症)、腎臓病などいろいろな合併症を引き起こす
     この薬は血糖降下薬で、インスリンに対する感受性を高め、おもに肝臓での糖分の生成を抑えることで血糖を下げる
     適応となるのは2型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病)で、なかでも肥満型に向くといわれている
     
     肝臓での糖新生抑制、末梢での糖利用促進、腸管からの糖吸収抑制の3つの作用により血糖を下げる
     これらは膵外作用であり、膵β細胞のインスリン分泌を介さない
     
      ●糖尿新生抑制:肝臓での糖の生成が抑制される
      ●糖利用促進:筋肉、脂肪組織など末梢での糖分の利用を促進する
      ●糖吸収抑制:小腸における糖分の吸収が抑制される

  特徴:古くからあるビグアナイド系の血糖降下薬
     略称はBG薬
     SU薬に代表されるインスリン分泌促進薬とは異なり、膵臓でのインスリン分泌を介することなく血糖降下作用を発揮する
     この系統の特異な副作用として「乳酸アシドーシス」が知られてる
     この薬の有効成分メトホルミンは、同系のなかでは乳酸アシドーシスの発現が少なく、比較的安全性が高い
     イギリスでおこなわれた大規模長期臨床試験でもよい結果がでており再評価されている
     (一方で、かつて、他のBG系薬剤による重い乳酸アシドーシスが世界的に問題となったことがあり
      また、古くにおこなわれた同系薬剤による長期臨床試験では必ずしもよい結果が出ていない)

     体重増加を助長しないことから、とくに肥満型の2型糖尿病に好んで用いられる
     血液中のコレステロールや中性脂肪の低減効果も多少期待あり

     欧米では2型糖尿病の第一選択薬として広く用いられている
     日本では、乳酸アシドーシスの副作用から、用法用量に制限が加えられ
     近年あまり使われていなかったが、最近また見直されている

     2010年、メトグルコ錠が新薬として改めて承認
     海外での使用実績をふまえ、従来のメトホルミンの用法・用量を大きく見直し
     高用量処方を可能とした
     それまでの1日最大用量750mg に対し、1日維持用量として750〜1500mg、1日最大用量として2250mg の処方が可能となり
     また食後に加え食直前の服用が認められている
  注意喚起:乳酸アシドーシスあるいは低血糖を起こす可能性が高い場合は処方を控える
       例えば、腎臓病や肝臓病、心臓病のある人、ひどい下痢や嘔吐、また体の状態がひどく悪いときなど使用できないことがある
       高齢の人も副作用がでやすいので、慎重に用いる必要がある
       造影剤を使用する検査を行う際は、一時休止しなければならない
                ●適さないケース:乳酸アシドーシスになったことのある人、腎臓が相当に悪い人、透析を受けている人、重い肝臓病、重い心臓病や肺の病気、アルコール摂取量の多い人
                            脱水症、脱水症が心配される激しい下痢や嘔吐、重症ケトーシス、糖尿病性昏睡、1型糖尿病、重い外傷や感染症、手術前後,
                            脳下垂体機能不全、副腎機能不全、栄養不良状態、衰弱状態、妊娠中、ヨード造影剤使用時など

             ●注意が必要なケース:腎臓病、肝臓病、感染症、高齢の人、不規則な食事や食事摂取量の不足、激しい筋肉運動をおこなう人など



   飲み合わせ:薬の飲み合わせによっては、この薬の作用が強まり、乳酸アシドーシスや低血糖の副作用がでやすくなる
           逆に効果が弱くなってしまうケースもあるので、他の薬との併用は、医師の判断で慎重におこなわなければならない

            ●血糖降下作用を強める薬の例として、他の血糖降下薬、解熱鎮痛薬(アスピリンなど)、血圧や心臓の薬(β遮断薬、ACE阻害薬など)
             胃薬のシメチジン(タガメット)などがあげられる
 
            ●血糖降下作用を弱める薬には、ホルモン剤(副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン、女性ホルモンなど)、利尿薬、結核の薬(イソニアジド)
             安定剤(フェノチアジン系)などがある

            ●緊急な場合は別として、ヨード造影剤を使用して造影検査(レントゲン)を行う際は一時的に服薬を中止することとなる
              特に大量の造影剤を用いる心臓カテーテル検査などにおいては適切な対応が必要
              服用再開は検査後2日目以降になる

            ●アルコールは乳酸アシドーシスの危険要因となる
              また、血糖値を乱し、ときに低血糖発作を誘発するので、できるだけ控えること
              飲酒を希望する際は、医師と相談すること



   使用にあたり:症状によって、飲む量や飲み方が異なる
            決められた服用量、服用回数を厳守する事

            一般的には、少量より開始し、副作用や血糖値に注意しながら慎重にゆっくりと増量していく
            万一飲み忘れたら、その1回分は抜かすこと
            絶対に、2回分を1度に飲んではいけない

            体調が悪く食事がとれていないとき、下痢や嘔吐、発熱時、あるいは激しい運動の前後、疲労のひどいときなどは
            薬の量を減らしたり休薬したほうがよいことがある
            このようなときの飲み方や対処法(シックデイルール)をしっかり守ること

            薬の効きすぎによる低血糖症状(副作用の項参照)があらわれたら、すぐに甘いもの(糖分)をとるようにする
            糖分としては、吸収の良い砂糖がおすすめで10〜20gをとるようにする事
            外出のときにも持ち歩くようにする

            そのほか糖分の多いジュースなどでも可能だが、アメ玉は溶けるのに時間がかかるので向いていない
            
            なお、αグルコシダーゼ阻害薬(グルコバイ、ベイスン、セイブル等)を併用している場合は
            病院から渡されるステイックシュガー(ブドウ糖)をとるようする事
            すぐに糖分をとれば15分くらいで治ってくるが、医師への報告も忘れないようにすること
                  


  コメント:2013年5月10日より「セイブル」が処方から外れ、このお薬になりました
       尚「ネシーナ」は継続中       
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